西暦110年頃に当時の皇帝、トラヤヌスに仕えていた建築家に寄って建設されたトラヤヌス帝の市場は、フォーリ・インペリアーリ通りを挟んでちょうどコロッセオとヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂とちょうど対になっています。現在ローマ市によって管理されているこのトラヤヌス帝の市場は、フォーリ・インペリアーリ博物館を併設しており、一般に公開されています。しかも、時々無料で一般公開されています。(公式HPに無料公開日が出ていますので、こまめに確認してくださいね)
博物館の入り口は狭く、車がどんどん行き交う交差点の手前にありあまりぱっとしないので、どんなにすごい遺跡が中に隠れているのか、ドキドキしながら入場券を買いました。館内に入ると、まずはその奥行きの深さに感動。天井が高い!そして、天井はローマ特有のアーチになっていました。もうそれだけで、古代ローマ時代にタイムスリップしたかのようです。
ここではローマの歴史をお勉強。トラヤヌス帝は、初めて属州生まれで皇帝となった人物で、軍人として育ち、様々な戦線にてその裁量を発揮した人物であったそうです。トラヤヌス帝の時代にローマ帝国の領土が過去最大となったということですので、やはりやり手の皇帝だったのでしょうね。人望も厚かったようです。
で。。。このトラヤヌスの市場は、そもそも何の目的で建てられたかというと。。。ローマ市民の生活の中心となるような複合施設建設のためであったとのことです。いわば古代ローマ時代のローマ市民の生活の中心地ということです。当時の感覚で言うと、今でいう、「六本木ヒルズ」といったかんじでしょうか。ちょっと違うか・・・笑)なんでも、市場では、小麦を無料で市民に受給していたそうです。なんとも太っ腹な皇帝!!そうやってローマ市民のハートをしっかり掴んでいたのでしょうね。タダほど高いものはない!
また、このトラヤヌスの市場は、「市場」や「商店」のみならず、様々な市民生活を行うための複合建築物であったということです。もしかすると、住宅などもあったのでは、との説もあります。そうだとしたら、本当に古代ローマのショッピングセンター&マンション、「六本木ヒルズ」ですね(しつこい・・・)
市場の中は、こんな雰囲気の歩道をてくてく歩いて行く形になっています。「廃墟」といえど、なんだか空気が活き活きとしていて、当時の市場の威勢が今でも伝わってきそうな感じだな、と思ったのは私だけでしょうか。ローマの一大観光地、コロッセオやヴァチカン博物館などに比べて、ここは観光客の数はさほど多くないので、あまり並ばずに入れるので長蛇の列が嫌な方にもお勧めです。まるで古代ローマの街の中を実際にお散歩してみるような感じで見学できます。トライアヌス帝の市場と、フォーリ・インペリアーリ博物館は、入り口と入場券が一緒になっています。チケットオフィスは閉館一時間前に閉まってしまいますので要注意です。
Mercato di Traiano Museo dei Fori Imperiali
住所:Via IV Novembre, 94, 00187 Roma
電話番号:+39 06 0608
開館日:09:00 – 19:00、12/24と12/31は09:00 – 14:00
休館日:月曜日、元旦、5/1、12/25
入館料:8.5ユーロ(特別展階催時は11ユーロ)
URL:http://en.mercatiditraiano.it/
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