ナヴォーナ広場とわずか13歳の殉教者、聖アグネスの教会

 

起源1世紀に時の皇帝、ドミティアヌス帝により建築されたナヴォーナ広場は、世界遺産にも登録されているローマの歴史地区、旧市街の西にあります。西暦86年より、ローマ初の競技場として市民のエンターテイメント(今の時代で言うテレビのような存在?)を担う競技場として利用されていました。

広場は北側で緩いカーブを描くように細長い形をしており、音楽堂を併設した約3万人が収容できる競技場でした。なんと、1866年まで(ローマ帝国の話をしていると時の感覚がマヒしてしまい、1866年が随分最近のことのように思えてしまいます。。)夏、8月の週末には広場に水を引き込んでボート競技が観戦出来たのとことです。どうやってどこからそんなに大量の水を引き込んでいたのか、不思議ですね。現在の建物がある場所には、当時は観客席があったといいます。想像するだけでも大規模で立派な競技場であったことは間違いないと思います。

 

green check 1)ナヴォーナ広場の3つの噴水:ムーア人の噴水、ネプチューンの噴水、四大河の噴水

 

ムーア人の噴水

ムーア人の噴水
 

ひっそりとした広場脇の小道からナヴォーナ広場に一歩足を踏み入れると、まず目につくのが3つの巨大な噴水です。そのスケールの大きさには思わず目が釘付けになります!広場の南側からムーア人の噴水(Fontana del Moro)、中央には四大河の噴水(Fontana dei Quattro Fiumi)、北側にネプチューンの噴水(Fontana del Nettuno)が堂々とした威厳のある趣で横たわっています。

ガイドブックなどにも載っているので、ご存知の方も多いかとは思いますが、この三つの噴水の中で一番有名なのが、バロック彫刻の巨匠と言われるジャン・ロレンツォ・ベルニーニによるとてもダイナミックな四大河の噴水です。なぜ四大河なのかというと、噴水の中でポーズを取っている4体の男性像がそれぞれ、ナイル川、ドナウ川、ガンジス川、ラプラタ川を擬人化し象徴するものであるとされていることからです。噴水の中央にそびえ立つ巨大なオベリスクは、ローマ教皇イノケンティウス10世が、広場の再建計画の一環として破損し放置されていたものを修復後こちらに運んだとのことです。オベリスクの頂上にはイノケンティウス10世の出身家系である、パンフィーリ家の家紋(オリーブの小枝をくわえる鳩)が取り付けられています。教皇一族、パンフィーリ家の勢力が4大陸に及ぶことを見事に表現しています。やはり、一番有名だということでこの噴水を目当てにナヴォーナ広場に訪れる方が多いかと思いますが、それぞれ3つともそれぞれ個性的で違った表情を見せてくれる素晴らしい噴水だと思います。ぜひ、自分の目で見比べてみてくださいね!

 

ナヴォーナ広場 Piazza Navona
住所:Piazza Navona, 00186 Roma ‎


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green check 2)サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会 Chiesa di Sant’Agnese in Agone

 

四大河の噴水のちょうど手前の方に見えるのが、殉教者聖アグネス(イタリア語では聖アニェーゼ)を祀るサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会です。1652年にジローラモ・ライナルディがパンフィーリ家出身のイノチェンツォ10世教皇の依頼で設計をし、翌年からバロック時代を代表とする建築家、フランチェスコ・ボッロミーニが多少元の設計図を変更し建築に施行したとされています。教会自体は1672年にジローラモ・ライナルディの息子であったカルロ・ライナルディによって完成されています。

もともとこの教会は、教会建設地の隣に一家の館があったパンフィーリ家のプライベート礼拝堂として機能していたそうで、一家の館には内部からアクセスできる設計になっているそうです。

聖アニェーゼに関しては、キリスト教国でない日本ではあまり知られていませんが、わずか13歳で結婚を断ったことから迫害宣告を受け、この教会が建っているまさにその場所で殉教したとされる聖女です。カトリック教会では純潔、少女、夫婦、レイプ被害者の守護聖人とさして祀られています。この教会には、頭がい骨の一部が保管されています。

 

サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会
住所:Via di Santa Maria dell’Anima, 30/A, 00186 Roma ‎
電話番号:+39 (0)6 6819 2134
URL:http://www.santagneseinagone.org/
入場料:無料
開館日:
平日 9:30 ~ 12:30 / 15:30 ~ 19:00
休日 9:00 ~ 13:00 / 16:00 ~ 20:00

 


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ナヴォーナ広場には車が入れないようになっており、広場内には年中大道芸人や似顔絵描き、最近では漢字で名前や希望する言葉を書いてくれる中国人などのストリート・パフォーマーが芸を披露しています。オープンエアーのカフェやレストランも広場内にはたくさんあり、毎年クリスマスシーズンにはクリスマス・マーケットが開催され、現在でもローマ市民の憩いの場となっています。ローマで一番ローマらしい雰囲気を味わえる広場ではないかと思います。ぜひ広場に訪れた際にはサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会にも訪れてみてくださいね!

 

rika

投稿者プロフィール

2003年イタリア人と結婚後イタリアに移住。日本とイタリアでテレビ業界並びに現地企業でのエグゼクティブ・アシスタントの仕事を経て、独立。現在はフリーランスで様々な分野のコーディネーターとして活躍中のフォルミカ理香です。イタリア語、スペイン語、英語堪能な帰国子女。旅行、食べること、ルブタンの靴が大好き。ちょっと可愛いユニコーンのアイテムをコレクションしています。現地在住ならではのディープなイタリア情報を発信中。

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