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エンニオ・モリコーネ氏の最後の手紙
2020-7-6
~~エンニオ・モリコーネ氏の最後の手紙~~
イタリアを代表する作曲家であり、
映画音楽の巨匠と称される
エンニオ・モリコーネ氏が、
7月6日、
ローマ市内の病院で
お亡くなりになりました。
91歳でした。
彼の生涯における
500曲以上もの音楽作品の中でも、
「ニュー・シネマ・パラダイス」
「アンタッチャブル」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」
「ミッション」
「夕陽のガンマン」
などの音楽は
今もなお、世代が変わっても
私たちの記憶に残り、
感動を与え続けてくれています。
今も耳に残るこれらのメロディーが
颯爽と聞こえてきそうです・・・。
実は、大たい骨を骨折して
転倒し病院に入院する数日前に、
エンニオ・モリコーネ氏は
親しい人に向けた手紙を書いていました。
イタリアのニュースでは
このプライベートの手紙が公表されていたので、
こちらのコラムでも紹介したいと思います。
私はこの手紙を読んで、
号泣しました。
なぜなら、この手紙には
受賞した数々の賞や、
彼が成し遂げた偉業や
人生への回想については
一言も書かれておらず、
終始一貫して
自分の周囲にいる人々への感謝の気持ちと、
愛情溢れる別れの言葉が
綴られていたからです。
彼がどれだけ家族や周囲の人を大切にし、
愛していたかが
ひしひしと伝わってきました。
だからこそ、
あんなに素晴らしい音楽を
生むことができたのかもしれません。
人生で、本当に大切なことは、
どんな偉業を成し遂げることでもなく、
数々の章を受賞することでもなく、
「ただ愛すること」
だと
氏が教えてくれているように思いました。
本当に大切なことは、
実はすごく平凡なことなのかもしれません。
以下、エンニオ・モリコーネ氏の
最後の手紙の全文です。
『私、エンニオ・モリコーネは死にました。
よって、いつも近くにいてくれた友人や、
少し遠くにいる友人にも告知し、
このような形で愛情を込めて挨拶します。
すべての友人の名前をあげることは不可能です。
しかし、兄弟のように
人生の最後の数年に常に近くにいてくれた
友人のペプッチョとロベルタには
特別な思い出があります。
このような形で皆に挨拶をし、
プライベートで葬儀をするように希望した私を
駆り立てた唯一の理由があります。:
私は皆に迷惑をかけたくないのです。
私と私の家族と、
私の人生の大部分を共有してくれた
イネス、ラウラ、サーラ、
エンツォ、ノールベルトには、
大いなる愛情を込めてお別れをします。
愛する姉妹、
アドリアーナ、マリーア、フランカ、
そして彼らの愛する人たちを思い出し、
私がどれだけ彼らを愛したかを
彼らに知らせたいです。
私の子供たち、
マルコ、アレッサンドラ、
アンドレーア、ジョバンニ、
義理の娘モニカ、
そして孫のフランチェスカ、
ヴァレンティーナ、フランチェスコ、ルカへ、
深い大いなる愛情と共にお別れをします。
私がどれほど彼らを愛しているか
理解してくれることを願っています。
そして最後に(いえ、最後ではなく)、
マリアへ。
私たちが一緒に作り上げた
並外れた愛を
ここに改めて更新します。
置いていくことになってしまい、
申し訳ない気持ちで一杯です。
最も辛い別れと共に、さようなら。』
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