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イタリアから見たウクライナ軍事侵攻とイタリアに住むウクライナ人たちの思い
2022-2-23
//悲しいヨーロッパの心//
とうとう、イタリア時間の本日早朝、
ロシアがウクライナで軍事作戦を開始しました。
本当はこちらのコラムを昨日アップしようと思っていたのですが、
情勢がかなり流動的で、
今日、明日にも戦争になるかも?
という雰囲気に包まれていたため、
更新が今朝24日になってしまいました。
朝起きると、
イタリア国営テレビRAI1が全ての通常番組を中断し、
ノンストップで特番を中継していました。
今正午前ですが、まだ特番は続いています。
ヨーロッパ中、そして世界中を恐怖に陥れた
第二次世界大戦終了から75年以上も経っているにも関わらず、
2022年、まさかまたヨーロッパの中心で、
戦争が始まってしまうとは、誰が想像したでしょうか。
イタリアではコロナの新規感染者もかなり減少し、
さらに4月からは様々な社会的制限も解除される、
もう少しでコロナ収束の光が見えるかも‼️
といったまさにそんなタイミングでのヨーロッパでの戦争開始・・・。
言葉が出ません。
「ウクライナ」というと
日本ではとても遠いどこかの国のこと、
というぼんやりとした感覚かもしれませんが、
ヨーロッパ人にとってはウクライナは
地政学的にもとても重要な「ヨーロッパの心」です。
ヨーロッパの指導者たちが、
ここ数日口を揃えて、
「私たちヨーロッパの心、
まさに中心地のウクライナで今、
戦争が始まろうとしています」
という言葉を発していました。
もちろん、プーチンにとってはウクライナは
「ヨーロッパの心」などではなく、
ロシアの延長線の属国といった認識なのでしょうが。
イタリアには、
ウクライナ人の移民がヨーロッパで一番多く、
約20万人のウクライナ人(外国人人口の第5位)が
イタリア国内で生活しています。
大半はイタリアで働きながら母国に仕送りをしているのです。
正式に住民登録していないウクライナ人を含めると、
40万人とも言われています。
私も個人的にウクライナ人の友人がかなりの数います。
元同僚で会社員時代とても仲が良かったリヴィウ出身の女の子、
多くのビジネス上の関係者たち、
そしてクリミア半島出身の現在の仕事上のパートナー、
などです。
彼の家族とはもう10年来の親交を深めています。
現在の仕事上のパートナー家族は
クリミア半島出身のロシア系ウクライナ人です。
彼は、2014年にクリミア半島がロシアに併合された際、
「ようやくロシアに戻れた、ロシアのパスポートがもらえた!」
ととても喜んでいました。
数日前にとても気になって彼のお母さんに電話をすると、
「クリミア半島の親戚は皆今のところ無事だけれど、
私のいとこの息子(20代)がウクライナ軍隊にいて、
ドンバス地方の最前線に配属されているの。
とても心配で夜も眠れない。。」
と泣きそうな声で言っていました。
彼女の声が脳裏にエコーし続け、
その日は私も夜眠れませんでした。
私たち人間は一体何をしているんでしょうか。
過去の戦争からは何も学ばないのでしょうか。
膨大な軍事資金で人のいのちを破壊する兵器を作り続け、
家を破壊し、家族をバラバラにし、
これからもずっと人を殺し続けるのでしょうか。
それが人間の性なのでしょうか。
そうは言っても国防のために軍隊は必要だ、
そう考えることが当然で
私の言っていることはただの綺麗事、
ユートピア的な思考なのかもしれません。
でもとっても悲しい。
このヨーロッパで、戦争が始まってしまった今日、
ウクライナに近いイタリアから
皆さんにもこの気持ちをシェアしたいと思いました。
写真は、ウクライナの首都、
キエフの街中でしゃがみこんで輪になり、
防空シェルターに逃げる前に静かに祈るウクライナの人々です。
イタリア国営テレビRAIが
TG1(国営ニュースTG1)で
11:50ごろテレビで流していたものを
テレビ越しに写真を撮りました。
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