フィレンツェ郊外のユニコーンの洞窟
フィレンツェの郊外に、「それはそれは素晴らしいユニコーンの彫刻がある」、と噂に聞き、これは大のユニコーンフリークとしては見ておかなきゃ、ということで、早速行ってきました!
処は2013年にユネスコ世界文化遺産に登録された、メディチ家の館と庭園のうちのひとつ、カステッロ荘(Villa medicea di Castello)です。フィレンツェ中心部から北西へ6.8kmの、郊外の小高い丘の上にあります。
電車かバスで行ける、ということでしたが、今回はバスで行くことに。20分ほどバスに揺られてカステッロに到着。観光客は私たち以外は誰もいない様子で、バスに乗っているのも地元の人たちばかりでした。バスを降りると、カステッロ荘の標識も何もないので、とりあえず勘を働かせて山の方へ歩いて行くことに。そうすると、さすがメディチ家の別荘らしく、正門からお屋敷まで続く長い長い道が待っていました。てくてくと歩いて行くとようやく屋敷の端の方に庭園への入り口が見えてきました。世界遺産なのに、なんと入場無料!信じられません。
この庭園は、ルネッサンス庭園の素晴らしさが特に高い評価を受けているということでしたが、第一印象はとても質素だな~。と思いました。庭園はきちんと手入れはされてはいるものの、どこか寂しげな様子。かつてのメディチ家の繁栄を彷彿というよりは、時を超えて静かに静かに佇む様子が印象的でした。ここでも観光客は私たちだけで、まるで自分の家の庭を散策しているかのようなちょっぴり贅沢な時間を過ごすことが出来ました。庭園内には世界中から集めたという何種類ものレモンの木のコレクションもありました。
奥の方に見えるのが、メディチ家のカステッロ荘です。建物自体は現在学術アカデミーが使用しており、見学はできません。現在ウフィツィ美術館に貯蔵されているかの有名なボッティチェリの「ビーナスの誕生」と「春」は、元々この屋敷に飾られていたそうです。さすが、この庭園の雰囲気にぴったりです。屋敷を見学できずに残念!こんなところで仕事が出来る人は幸せだな~、と思ったり。
庭園の中心にある噴水のヘラクレスとアンタイオスのブロンズ像。とても力強い勢いのある彫刻です。噴水は動いていませんでしたが、実際に水がこの彫刻に高々噴き上げる様はとても圧巻だったのではないかと思います。
そしてこれが今回のお目当て、動物の洞窟(La grotta degli animali)です!!素晴らしい!!の一言。ブラヴォー!!と叫びたくなるくらいの迫力でした。どうしてこの庭園が無料で公開されているのかが不思議なくらいです。
洞窟内部には正面、右、左にそれぞれ水盤(お風呂のような形をした水貯のようなものです)が備え付けられており、その上に色んな色の石から彫られた動物の彫刻が施されています。ひとつひとつの動物が本当に生きているかのように表情まで丁寧に彫られていました。洞窟の内部には柵があるため入れませんが、内からひんやりとしたどこか神聖な空気が伝わってきます。当時、メディチ家の有力者達はこの洞窟の中でどんな会話をしていたのでしょうか・・・。
そして、やはり注目すべきは正面の水盤の上に掲げられた伝説の動物、ユニコーン(一角獣)です。
メディチ家とユニコーンの関係は調べてみないと分かりませんが、おそらく、一角獣の角には解毒作用があり、時の有力者はこぞってユニコーン狩りをしていた、という伝説と何か関係があるのではないかと思います。
ちょっといろいろ調べてみたくなりました♪
カステッロ荘(Villa medicea di Castello)
住所:Via di Castello 47, 50141 Castello (Firenze)
入園料:無料
開園時間 :
08:15 – 16:30 1月、2月、11月、12月
08:15 – 17:30 3月 (夏時間有効時は18:30まで)
08:15 – 18:30 4月、5月、9月
08:15 – 19:30 6月、7月、8月
08:15 – 18:30 10月 (冬時間有効時は 17:30まで)
休日: 毎月第二・第三月曜、元旦、5月1日、12月25日
行き方:バス2番もしくは8番で停留所「Viale Sestese 02」で下車。徒歩10分。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。