イタリアという国、イタリア人に対する先入観
イタリアという国に対してみなさんはどんなイメージを持っていますか?
「人生を謳歌する陽気なイタリア人」
「パスタやドルチェなどの美味しいイタリア料理」
「一流ブランドが目白押しのファッション、デザイン大国」
「美女美男の多い国」
「情熱とアモーレの国」
「イタリア男はみな女ったらしでマザコン(笑)」
「世界的に有名な観光地が全国に散らばっている」
「ローマ帝国など、長い歴史」
「ミケランジェロ、レオナルド・ダヴィンチ、ラファエロなどを輩出した芸術大国」
「セリエAで活躍する有名なサッカー選手がたくさんいる国」
などなど・・・。みなさん人それぞれイタリアという国、イタリア人に対して色んなイメージを持っていると思います。どれもすべて間違いない確かなイタリアの一面だと思います。
イタリア人と結婚し、この国に移住してもうじき17年になりますが、私が毎日の生活の中で見て感じたイタリアという国、イタリア人たちも、まさにその通り!前から持っていたイメージそのままです。
個人的に一国民をカテゴライズするのはあんまり好きじゃないんですが、やはり、外国人が日本人のことを「勤勉で生真面目でよく働く」、「とても細かく、機能的にすべてをオーガナイズするのが好き」、「基本的にお米、魚、野菜、海藻類中心の食生活なので、みな痩せている(笑)」と固く信じているのと同じで、彼らの持つ日本人に対するイメージが一概に外れているとは言い難いのと同じようなものでしょうか。
上記のイタリアという国、イタリア人に対するイメージを一つずつ考察していこうと思うのですが、統計や実際の数字は簡単に手に入るので、そんなイタリア人という愛すべき人々が住む国を少しでも多くの方に深く知ってもらえたらいいな、という思いから、私の個人的な体験を通して垣間見た実際のイタリアという国、イタリア人について感じたことをまとめてみました。一笑しながら読んでいただければ幸いです。
ホントのところイタリアって?イタリア人って?
「人生を謳歌する陽気なイタリア人」
イタリア人というと、どうも「陽気で能天気な人たち」というイメージが強い気がします。確かにそういう側面もあるのですが、どちらかと言うと人生を前向きにポジティブに捉えている人が少しだけ多いのかな?という気がします。かと言えど、もちろんネガティブな人もいますし、ネクラで陰気な人もいます。日本人にも色んな人がいるのと同じように、イタリア人にも色んな人がいます。当然ですが。ただ、個人的に面白いな、と思うのは、日本人だったら真剣に悩むようなシチュエーションで、ジョークを言ってあえてネガティブなシチュエーションを笑いに変えたり、人がどう思うかを気にしないので、それがストレスとならない、といったころはあると思います。人生を謳歌するというのは、自分は自分、人は人、という徹底的な個人主義のなせる技なのかもしれません。
「パスタやドルチェなどの美味しいイタリア料理」
確かにイタリア料理は美味しいです。パスタは数え切れないほどのバリエーションがありますし、肉、野菜、魚料理どれをとっても素材そのものの味を大切にした調理法がしっかりと守られています。イタリアに来て気づいたことに、多くの一般の人が季節の野菜や果物をちゃんと知っているということです。それだけ素材に対する意識が高いのでしょう。それから、イタリア人にとって「食べる」ということは、「大切な人と時間を共有する」ということと同意語だということです。イタリア人は他の国民に比べて外食の頻度が少ないと聞きます。一緒に食事をするために愛を込めて料理を作り、美味しい料理を大切なひとと一緒に喜びを持っていただく、ということ。そんな小さな幸せを大切にする姿勢が美味しい料理を生み出したのかもしれませんね。
「一流ブランドが目白押しのファッション、デザイン大国」
イタリアブランドといえば、数え切れないほどの素敵なブランドがありますよね。大御所だけでもGUCCI、PRADA、FENDI、フェラガモ、ブルガリ、などなど数え切れないほどです。ファッションのみならず、建築やインテリア、プロダクトデザインも素晴らしいものが多く、そのデザイン性と感情に訴えかけてくるようなフォルムは世界中の人々を魅了しています。思うに、イタリアの職人気質は、ものごとに徹底的にこだわるところがあるイタリア人の性質がなせる技なのかもしれません。徹底的に美と品質を追求し、細部にまでこだわった結果こうなった、というのがイタリアのファッション、デザインなのではないでしょうか。
「美女美男の多い国」
確かに、イタリア人には美男美女が多い気がします。そもそもヨーロッパには長年他民族からの侵略が繰り返されてきた歴史がありますよね。また、地理上アフリカ大陸にも近いことから、大昔から血が混ざり合い、色んな民族のDNAがその過程で少しずつ組み込まれてきたのではないでしょうか。南部に行けば黒髪で中東、アフリカ人とも思える風貌のイタリア人に多く出会いますが、北部では金髪で青い目のこれぞ白人、というような陶器のように透き通った肌をしたイタリア人が多くなります。血は混ざれば混ざるほど容姿が美しくなると聞いたことがありますが、このような理由から美男美女が多いのかもしれません。
「情熱とアモーレの国」
イタリアはよく「情熱とアモーレの国」と形容されることがありますが、そもそも「アモーレ」とは、何なのでしょうか。イタリア人にとって「アモーレ」とは、愛する人であり、愛すべき大切なもの、ことであり、自分にとってかけがえのないもののことを一般的に示します。自分の夫や妻のことも「アモーレ」と呼びますし、愛息子や愛娘も「アモーレ」、愛すべき孫たちも皆「アモーレ」と呼ばれます。また「アモーレ」は人に限らず、自分の愛する趣味やモノたちにも使われるのです!感覚的に、英語の「LOVE」とはちょっと違う気がします。イタリア語の「アモーレ」は「大切なもの」と訳すことができるような気がします。
「イタリア男はみな女ったらしでマザコン(笑)」
これはもう弁解のしようがないほど真実に近いと思います。イタリアでは、マンマ(母親)の権力は絶大です。「全てはマンマの周りを回っている」と言っても過言ではないほどです。イタリア人男性は大抵マンマのことを崇拝しているか、あまりに愛しているために憎んでいるかのどちらかです。笑)小さな頃からとても過保護に育てられ、成人してからも自分の身の回りのことを全くできない、というイタリア人男性も珍しくはありません。それとこれは女性にも言えることですが、イタリア人はあまり浮気に対して暗いネガティブなイメージを持っていないような印象を受けます。「秘事」というよりは、どこか恋愛ゲームのような感覚で楽しんでいるように見えます。「女ったらし」はこの国では当たり前のことなのかもしれません。
「世界的に有名な観光地が全国に散らばっている」
イタリアは、2020年2月現在、世界遺産国別登録数ランキングで登録数が世界第一位です。文化、自然、複合遺産の全てを合わせて全55件の登録数を誇ります。近年中国がイタリアに追いつこう追いつこうと必死になっており、全体数ではイタリアと同様に登録数55件となりましたが、追いついたのは最近のことで、イタリアはずっと世界第一位の座を誇っていました。一度の旅行では見きれないほどの観光地が各地に目白押しです!
「ローマ帝国など、長い歴史」
ご存知の通り、イタリアの歴史はとても長いです。西洋の歴史のルーツがここにある、と言っても過言ではないでしょう。約2000年前の栄最盛期には地中海沿岸全域に加え、ブリタニア(現在のイギリス南部)、ダキア(現在のルーマニアの一部)、メソポタミア(チグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野で現在のイラクの一部)などの広大な領域支配したローマ帝国で有名ですね。しかし、国家として統一されたのは、1861年。2011年に建国150周年を迎えたばかりです。
「ミケランジェロ、レオナルド・ダヴィンチ、ラファエロなどを輩出した芸術大国」
芸術大国イタリア。これも確かに当たっています!イタリアは、レオナルド・ダヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ、カラヴァッジョなど天才と呼ばれる人物を何人も輩出しています。イタリア国内にはこれらの偉人たちの作品が各地に今なお数多く残っています。一度にこれほど多くの天才の作品を鑑賞できるのは、イタリアならではです。
「セリエAで活躍する有名なサッカー選手がたくさんいる国」
イタリアはサッカーでも有名ですね。イタリアのプロサッカー一部リーグの「セリエA」には抜き出た才能を持つ選手が世界中からスカウトされやってきます。そして毎週行われるシーズン中のリーグ戦では、まるで生死を分けるかのような熱い戦いが繰り広げられるのです。テレビでも年がら年中サッカーの番組をやっているのですが、サポーターの熱狂ぶりはすごいものがあります。かつてはナポリのチームでマラドーナが大活躍したのは有名ですし、その後もロベルト・バッジョ、デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティなど世界レベルの有名な選手を多く輩出しています。そして、余談ですが、セリエAにはなぜかイケメンの選手がとっても多いのでも有名です。笑
イタリアという国、イタリア人に関する先入観:結論
と、ここまでイタリアという国、イタリア人に関するイメージを一つずつ考察してきましたが、いかがだったでしょうか。その国のステレオタイプというものは必ずどの国にも存在しますが、「へー、イタリア人ってそんな側面もあるんだ」、「イタリアってそんな国なんだ」、「やっぱり思っていた通りだ!」など、イタリアという国、そんなイタリアに住む愛すべきイタリア人に関して新たな側面を発見したり、皆さんがイタリアに興味を持つきっかけになれば幸いです。ぜひイタリアの魅力を発見しに来てくださいね。それでは、イタリアでお待ちしています!
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