イタリア観光のベストシーズンはいつ?
イタリアの気候
イタリアは地中海性気候帯に属しており、日本と同じように春、夏、秋、冬と基本的に四季があります。地形的にも北部の国境を接する地域を除き、大半が海に囲まれた半島となってるところも日本と似通っています。
一年を通して比較的気候は温暖で、日本の気候ととてもよく似ています。根本的に違うのは、湿度と降水量です。日本の年間降水量は、約1668mmですが、イタリアはなんと、832mmでおおよそ日本の年間降水量の半分です。このことからも分かるように、日本よりも年間の平均日照時間が長く、湿度が低くなっています。
ローマもミラノも東京の気候とさほど変わりはありませんが、夏は高温の割には湿度が低く過ごしやすく、冬は乾燥しているため寒さがこたえます。また、日本と比べて朝夕の温度差も大きいのが特徴です。
イタリア旅行の観光ベストシーズン
長年現地に住んでいると、「イタリア観光のベストシーズンはいつですか?」とよく色んな方に聞かれるのですが、実はすぐに答えるのが難しい質問でもあります。イタリアは日本からのみならず、ヨーロッパ諸国を含む世界各国から大勢の観光客が訪れる観光大国です。基本的にはどの街も年中観光客が絶えることはなく、ローマなどは一年中ハイシーズン=ベストシーズンと言っても過言ではないと思います。
・・・とは言っても、季節によって観光客の動向に特徴や傾向がありますので、季節ごとにアドバイスをまとめてみました。現地在住14年の私の個人的な体験に基づくものなので、ガイドブック等の情報とは違ったかなり個人的な見解も含まれます。
イタリア観光・季節ごとのアドバイス
春
イタリア人にとっての春の訪れは、大抵3月8日の「女性の日」に男性から送られるミモザの花を街の至る所で目にする様になる頃です。3月はまだまだ寒い日が続き、コートが手放せないのですが、黄色のミモザの花が気分を明るくしてくれます。また、春にはクリスマスと同じくらいの大イベント、イースター(復活祭)があります。この期間は世界各国からヴァチカンを訪問するキリスト教信者が後を絶ちません。また、イタリア人が国内で実家に帰省をする時期でもあるので、ホテルも航空券も値段が跳ね上がります。イースター期間中は航空券も、列車も国内の移動は早め、早めの予約をお勧めします。
季節の変わり目なので、3,4月は気候がまだまだ不安定です。ここ数年は雷や稲妻を伴ったゲリラ的な集中豪雨が多くなっています。この時期に旅行される方は、傘をお忘れなく。観光には簡易レインコートや雨に強い素材の靴があると便利かもしれません。
夏
イタリアは、サマータイムを導入しているため、夏は日照時間が長く、夜遅くまで明るい日が続きます。サマータイム導入時は日本時間ー7時間、通常時は日本時間ー8時間となります。(サマータイムは3月の最終日曜日から10月の最終土曜日までです。例外となる年もあります。)
3月から5月に向けて徐々に降水量が少なくなっていきますが、不安定だった気候も6月になると安定してきます。例年6月頃には本格的にからっとした夏が訪れます。
6月、7月は雨量も少なく、明るい日差しが望めるので、ベストシーズンと言ってもよいのではないでしょうか。夏のセール(SALDI)が始まるのは7月中旬ごろです。ただし、各国からの観光客も皆この頃を狙ってきますので、観光地は非常に混雑します。
8月は、イタリア人は皆ヴァカンスに出払うため、街からイタリア人が消え、代わりにどの街も家族連れなどの観光客で一杯になります。イタリアでは会社や商店、ホテルさえも「夏休み」を設けているところがあります。そのため、街は閑散とし、海辺のリゾート地が賑わいます。カプリ島、サルデーニャ島、アマルフィ海岸などは特に人気のリゾート地なので非常に混雑し、ホテル料金も高騰します。イタリア人が生活している雰囲気や普段の街の雰囲気を味わいたい方には8月は観光客ばかりでつまらないかもしれません。
秋
イタリアプロサッカーリーグ、セリエAの開幕と共に秋がやってきます(笑)長いバカンスを終えイタリア人が仕事に戻って来る頃です。9月はまだ残暑が厳しく夏と言ってもよいのですが、10月頃になると気温も少しずつ下がってきます。季節の変わり目なので、3,4月と同じく気候が不安定です。ガイドブックなどでは「イタリアの観光ベストシーズンは10,11月」というような記述を見かけますが、雨量が年間で一番多くなるのはこの2カ月で、最近では雷や稲妻を伴ったゲリラ的な集中豪雨がとても多くなっています。晴れる日も多いのですが、基本的に傘は必須です。観光の際に雨だといろいろ大変ですよね。雨が嫌な方は、別のシーズンをお勧めします。
この季節の旅の醍醐味は、なんといってもグルメです!味覚の秋はイタリアでも同じで、この時期のお楽しみは各地で行われる収穫祭などの食べ歩きでしょうか。トリュフやポルチーニ、エキストラバージンオリーブオイル、ぶどうやナッツ類、栗、ワインなど、美味しいものが出そろいます。グルメ目的の旅行なら断然10月,11月です。ヨーロッパからの観光客も週末を利用して美味しいものを目指してやってきます。グルメの国、イタリアの底力を垣間見ることのできる貴重なシーズンです。
冬
イタリアの冬の最大のイベントといえばクリスマス。キリスト教カトリックの総本山ヴァチカンでは世界各国から重要招待客がわんさかとクリスマスの正式ミサに列席します。世界中からキリスト教カトリック信者が押し寄せるので、クリスマスシーズンのローマは大変混雑します。また、イタリア人にとってのクリスマスは、日本のお正月と同じように一年で一番大切なイベントで、家族と一緒に過ごすのが一般的です。そのため、イタリア国内ではクリスマスの数日前から、実家に帰るイタリア人の帰省ラッシュが始まります。飛行機や列車、バスなど国内の交通機関は大変混雑しますので、クリスマス期間中、またその前後にイタリア国内の移動予定がある方は、できるだけ早めの予約をお勧めします。
イタリアの冬の寒さは、気温自体はあまり低くなくても空気がとても乾燥しているためお肌にこたえます。女性の方はハンドクリームとリップクリームは必須です!髪も数日もすると乾燥でパサパサとしてくるので、コンディショナーと別にトリートメントもあればなおさら良いかと思います。あとは、使い捨てのお肌のパックも数パックあると、肌がカピカピにならず、重宝すると思いますよ!
クリスマス、ニューイヤー、エピファニア、カルネヴァーレとイベント目白押しの冬のイタリアは、イタリア人が最も楽しみにしている季節なので、この時期に旅行を計画してイタリア人のクリスマスの過ごし方を観察するのも楽しいかもしれません。また1月初旬には、待ちに待ったセール(SALDI)が始まります。狙っているブランド物もお得なプライスで買えてしまうこの時期の観光はショッピングざんまいで荷物が多くなってしまうかもしれません。ちなみに、アウトレットでもアウトレット価格からさらにセールプライスとなりますので、アウトレットは狙い目です。
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