イタリアで就職活動をするなら Part 1
「イタリアで働く!」「イタリアで働きたい!」という熱い思いを持っているものの、どうしたらいいか分からない、一体何から始めればいいのか分からない、どうすればイタリアで働けるのか、という疑問を持っている方のために、イタリアで合計20年以上様々な職場でいろんな職種で働いた経験から、今回はイタリアで働くためのアドバイスをいくつか書いてみたいと思います。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
イタリアで仕事に就くまで、日本での下準備
そもそも私が以前イタリアに移住する前に何をしていたかというと、アメリカの大学でコミュニケーション学部を卒業後、東京のテレビ局で仕事をしていました。イタリアに来たのは、2003年、イタリア人と結婚したことが一番のきっかけなのですが、それ以前にも16歳で初めて当時親が住んでいたペルージアを訪れて以来、イタリアにはなぜかとても深い縁を感じていました。初めて降り立ったイタリアの地がとても自由な場所に思えたこと、そして何故か、「将来私はここにまた戻ってきて何かすることになるだろう」という漠然とした確信を持ったこと、開放的でのびのびとしていて、それぞれ個人の個性がとっても強いイタリア人が大好きになったこと、そんないくつかの要因が重なって、東京での生活に終止符を打ち、2003年イタリア人のパートナーとイタリアで暮らすことを決断しました。
この時点ではイタリア語は全くできませんでした。知っている単語といえば「ボンジョールノ!」や「ボナセーラ!」、「グラッツィエ!」などの旅行者でも知っているベタな挨拶程度のものでした。イタリア語は、イタリアに行ったら生活をしている内に自然に話せるようになるだろう、とあまり勉強もしていませんでしたが、イタリアに着いてからは日本でもっと勉強しておけばよかったな、とよく思いました。ですので、イタリアで働きたい方は、まずはイタリア語をぜひ自分のものにしてください!これが下準備で一番大切なことと言っても過言ではありません。
イタリアに来てからしたこと
まず、イタリアに来てすぐは、以前働いていたテレビ局で常に当時お世話になっていた現地のテレビプロダクションの日本人カメラマンの紹介で、幸運にも彼の勤めるテレビプロダクションで働けることになりました。このテレビプロファクションでは、日本のテレビ番組向けのイタリアでの取材コーディネーターとして、1年間働かせて頂きました。正直言って、到着したばかりの頃はイタリア語はあまりできませんでしたが、毎日独学、さらにイタリア語学校に3カ月通い、仕事をしながら集中的にマスターしました。
当時はサッカーの中田選手がセリエAに移籍したことを皮切りに、レッジョカラブリアの中村選手、またサンプドーリアの柳沢選手と日本人サッカー選手が相次いでセリエAに移籍しており、毎週末サッカーの取材でイタリア各地を転々とする日が続きました。結局そのテレビプロダクションに1年勤めた後、イタリア語もかなり覚え、その後はフリーとしてテレビ関係の通訳、また翻訳や番組のリサーチ等をしばらくしていました。この時期は、基本的には家での仕事+取材の依頼で出張が中心の日々でした。
そんなある日、イタリア人のパートナーの友人から、ローマ国際空港にあるイタリアの企業が日本人を探しているので、ぜひ紹介させてもらえないか、というお話をいただき、2005年からその会社に勤めることになりました。今までと全く違う業界でしたが、出張や締め切りの多いテレビの世界から離れたく、思い切って職種を変えることにしました。そのイタリアの企業では主に日本への輸出入、空輸、海上運送の日本地区担当のコーディネーターとして働くことになりました。全く違う業界でしたので、初めは戸惑うことがとても多かったのですが、日本人は私一人、という会社でしたので、ここではイタリアで働く上でのビジネスの基本を徹底的に学びました。また同時に、イタリア人と一緒に働くということはどういうことかということも、ここでの経験が今ではとても役に立っているなと思います。
このイタリアの企業には、結局9年在籍しました。当初は日本地区担当の貿易コーディネーターとして働いていましたが、後に日本への出張の多いイタリア人CEOの直下のエグゼクティブ・アシスタントとなります。この仕事は基本的には「秘書」の仕事ですから、イタリアでのビジネスマナー、イタリア語での契約書の作り方、メールの書き方、イタリア人CEOへ取り次ぐ電話の応対、CEOのスケジュール管理など、イタリア人顔負けのスキルが要求されましたので、一生懸命に覚えました。もちろん、日本の企業とのやりとりも多かったので、秘書として日本語のビジネススキルも必要でした。
9年後、結局この会社を去ることにし、フリーランスとして働くことを決意しました。現在はフリーのコーディネーターとして通訳、翻訳に携わる傍ら、イタリア関連の情報を提供する当サイトの運営、イタリアざんまいツアーを運営しています。
PART2ではイタリアで働くための心構えについてお話したいと思います。
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