イタリアで就職活動をするなら Part 2
前回、Part1では「イタリアで仕事に就くまで」、「日本での下準備」、「実際に私がイタリアに来てからしたこと」などを中心にお話ししましたが、今回は、実際に日本とは全く異なる文化のイタリアという国で「仕事をする際の心構え」として、いくつか重要なことを挙げてみたいと思います。
イタリアで仕事をするためには・・・
- ① イタリア語はできて当たり前、さらにプラスアルファの強みを作ろう!
- ② 労働許可証と滞在許可証は必須!
- ③ 感情の起伏が激しくジョークのきつい(笑)イタリア人同僚と仕事をしてもくじけない精神的な強さを養うこと!
- ④ 日本人として、日本の代表としての認識を持つこと!
イタリアで仕事をするためには、自分の個人的な経験上、上記の4つが必須になってくると言えるかと思います。日本からイタリアを目指しているみなさんにとってみると、「ハードルが高いな」と感じるかもしれませんが、近年はグローバル化が進んでいるとはいえ、そもそも外国で働くということはまだまだそれ自体がハードルが高いことです。実際に実行に移す前に、上記のポイントは必ず抑えておきましょう。それでは、ひとつひとつ見ていきます。
イタリア語はできて当たり前、
さらにプラスアルファの強みを作ろう!
さらにプラスアルファの強みを作ろう!
1つめの「イタリア語はできて当たり前、さらにプラスアルファの強みを作ろう!」ですが、イタリアで仕事を探すとなると、やはりイタリア語の能力は真っ先に問われます。今現在イタリア語を勉強していて将来イタリアで仕事をしたいと思っているのなら、やはりイタリア語を日常会話、ビジネス会話、ビジネス文章力等かなりのレベルまで高めることを先決としなければなりません。そもそもイタリア自体失業率がとても高く、日本人の就職オファーはとても少ないのが現実です。現地ではイタリア語はできて当然、さらにそれにプラスとなるような能力を期待されます。ですので、「イタリア語はできて当然」と思って就職活動に臨まなければなりません。
雇用する側にとってみても、同じ能力のイタリア人と日本人が求人枠に応募してきた場合、イタリア語を母国語とするイタリア人と、イタリア語がカタコトの日本人であれば、迷わずイタリア人を雇用します。イタリア人の雇用にはビザも必要ないですし、そもそもコミュニケーションの問題もありません。語学的には当然ハンデのある日本人が雇われるためには、イタリア語に加えて何かプラスアルファ=「あなたでなければいけない」要素が何かなければいけないのです。当然と言えば当然のことですね。
プラスアルファは何でも良いというわけではありません。国際的に通用する国際標準の資格だったり、その会社が得意としている分野の専門技術だったり、とにかく相手の立場に立ってみて、その会社が「今この技術(資格)を持っているこの人を欲しい!」と思える何か、ということです。
労働許可証と滞在許可証は必須
2つ目の「労働許可証と滞在許可証は必須!」に関してみていきましょう。
イタリアで日本人が働くためには労働許可証と滞在許可証の取得が必須となってきます。大まかに労働許可証は「自営業者用」「就職などの被雇用労働許可証」「スタートアップビザ」と「ブルーカードUE取得者のためのビザ」の4種類がありますが、ほとんどの場合は「就職などの被雇用労働許可証」になるかと思います。
まず、労働許可証に関してですが、イタリアでは労働許可証を持っていない日本人を採用する企業は極めて少ないのが現実です。会社が労働許可証を代わりに取得してくれる場合もありますが、手続きが複雑なため、会社側がそれだけの労力を払ってでもどうしても欲しい人材である場合のみそうした配慮が行われるようです。多くの方も書いていますが、やはり一番いいのは日本から改めて現地採用を取りつけて入国することでしょうか。実際、その場合には派遣元の日本の企業が労働許可証取得に関する全ての諸作業を行ってくれことになります。
また、今すぐにでも国際的に活躍できる!という専門能力、経験と自信のある方は、ローマに本部のある国際機関、FAO(国際連合食糧農業機関)、WFP(国際連合世界食糧計画)、IFAD(国際農業開発基金)等の国際機関の空席公募にチャレンジしてみるのも手かもしれません。また、外務省が定期的に行っているジュニア・プロフェッショナル・オフィサー派遣制度というものもありますので、派遣先が保証されるわけではありませんが、一度外務省のページにも目を通すことをお勧めします。
FAO(国際連合食糧農業機関)の採用情報ページ
http://www.fao.org/employment/en/
WFP(国際連合世界食糧計画)の採用情報ページ
https://www.wfp.org/careers/job-openings
IFAD(国際農業開発基金)の採用情報ページ
https://www.ifad.org/web/guest/careers
外務省 国際機関人事センター
http://www.mofa-irc.go.jp/jpo/index.html
その他、イタリア国内の日本企業等でも、空席が出た場合に現地採用を行う場合があります。この場合は口コミや紹介など、また現地の日本人向けの新聞などで公募されることがあります。現地の日本人と親しくなって常に情報を入手しやすいような環境を作っておいたり、常に情報を仕入れる努力をすることが必要となります。労働許可証の詳しい説明、取得方法に関しては、法律がコロコロ変わるのがイタリアという国!!正確な最新の情報に関しては、イタリア警察のサイトで最新の情報を確認することを強くお勧めします。
イタリア警察 ビサ取得に関するページ
http://www.poliziadistato.it/articolo/10617/
また、滞在許可証に関しては、全てのビザにおいて、イタリア入国後、現地で申請する必要があります。これらの二つの許可証が揃ってはじめてイタリアで合法的に労働しながら滞在することが可能となります。
イタリア人同僚と仕事をしても挫けない精神的な強さは必須
3つめの、「感情の起伏が激しくジョークのきつい(笑)イタリア人同僚と仕事をしてもくじけない精神的な強さを養うこと!」これは実際にイタリア人と10年以上仕事で接してきて痛感していることです。イタリアの職場では、日本の会社では考えられないようなお互いの意見の食い違いや、仕事の進め方の相違による言い争い、ケンカ等は日常茶飯事です。
イタリア人とはどうも熱くなる国民のようで、ちょっとしたことでも自分の意見を必ず通そうとします。それでいてナイーブで傷つきやすいところもあり、同僚となるとかなり面倒くさい事が多いのも事実です。相手はこっちが外国人だからといって遠慮など全くしませんから、主張したが勝ち、という雰囲気の中で仕事をするのにかなりへこむ事もありました・・・。ですので、こちらも精神的にタフでなければやっていけません。精神面では私もやはりかなり鍛われたと思います。今では「こんなに強くなってしまっては日本に帰ってもう仕事ができないのでは!?」と思ってしまうくらいです。
日本人として、日本の代表としての認識を持つこと!
そして最後に、4つめの、「日本人として、日本の代表としての認識を持つこと!」ですが、これはイタリアに限らず海外で働きながら生活していく上で、精神面ではとても重要なことのように思います。
イタリアにいたら、私たちは当然ですが彼らイタリア人の目から見ると「日本人」です。私たちの行動、言動すべてが彼らのステレオタイプを形成し、「やっぱり日本人は・・・」とか、「へー、日本人ってすごいんだ!!」とか、そういった単純な枠に「日本人」として一括りにされてしまうのと同時に、私たちの言動、行動がひいては日本という国のイメージを作ってしまいます。ですので、一旦日本から出て海外で働き生活をする上で、日本人として、日本の代表としての認識を持つこと、は個人的にとても大切なことだと思います。
パート3では、イタリアで就職活動をする際に便利なサイトをいくつか紹介します。
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